おすすめの本

「手紙」

  • 掲載日:2024年6月15日
 手紙とは自分が伝えたいことを書き記したり、相手の思いを受けとめたり、誰かが遺したその時代の空気を感じたり、用途・場面により様々に変化します。今月は「手紙」について紹介します。
あなたの迷宮のなかへ
マリ=フィリップ・ジョンシュレー/著
村松潔/訳
新潮社
翻訳者であり、彼の恋人でもあったミレナ。カフカの遺した夥しい数の文通のうち、彼女からの手紙は発見されていません。本書は恋人ミレナからの手紙を想像して蘇らせたものです。手紙の向こう側にあるカフカの不安や苦悩までもが、彼女の手紙を通してありありと伝わり、二人の深い絆に引き込まれます。カフカ没後100年を迎えた今、あらためてカフカの世界を堪能したくなる一冊です。
手紙が語る歴史秘話
「江戸楽」編集部/編
メイツ出版

 
手紙は歴史を読み解く史料として扱われることもあります。本書では、戦国時代から明治時代までの偉人が送った手紙を画像と現代語訳で紹介し、その背景や差出人と受取人の関係性をわかりやすく解説。偉人の意外な素顔や交友関係、歴史の裏側を垣間見ることができ、歴史が好きな人は勿論、そうでない人も手紙を通じてその時代に思いを馳せる一冊として楽しめると思います。
絵手紙に添えたいことば
日本絵手紙協会/監修
成美堂出版

 
書籍を始めいろいろなものがデジタル化された現代、情報を紙で残すことが少なくなってきてきます。このようなデジタル社会だからこそ、あえて手書きの絵にことばを添えて、大切な人に送ってみてはいかがでしょうか。この本には参考になる心打たれる「ことば」が沢山詰まっています。自分の思いや気持ちをそのまま、手書きの絵とことばで伝えてみましょう。