おすすめの本

野生動物

  • 掲載日:2023年2月15日
3月3日の「世界野生生物の日」と、冬眠から動物たちが動き出す季節にちなんで、野生動物の本をご紹介します。
カラス先生のはじめてのいきもの観察

 
松原始/著
太田出版


 
 カラスの研究を専門としている著者が、研究者になる前に接した身の回りのいきものの記憶をつづります。家の裏で遭遇したイノシシ、雪に日にすれ違った年老いた雄シカ、天守閣で保護したコウモリ、台風の夜に見つけたオオミズアオ…。ユーモアあふれるエピソードの数々からは、どの生き物にも等しく筆者の愛情を感じます。


 
岩合光昭/著
クレヴィス


 
 森の中で野生動物のように息をひそめ耳を澄まし、気配を感じながら虎を追います。そこには、私たちが決して目にすることのできない動物たちの表情やしぐさ、日々の暮らしが捉えられていて、ワクワクドキドキする写真集です。岩合氏の虎への熱い思い、同じ写真家であった父や人とのつながり、そして動物たちや地球を守りたいという気持ちのこもった一冊です。  
 
熊の皮
 
ジェイムズ・A・マクラフリン/著
青木千鶴/訳
早川書房


 
 アメリカ、アパラチア山脈にあるターク山自然保護区の管理人であるライスは、保護区の森で皮をはがされた熊の死骸を発見。近辺で熊の胆や掌の密売が行われていることを知り、単独で密猟者を捕えようと動き出します。密猟者との対決が鬼気迫るノワール小説。アメリカクロクマやアメリカマムシなど、ターク山に生息する多くの野生生物の描写も圧巻です。