おすすめの本

  • 掲載日:2023年5月15日
眩しい緑の中、虫たちが活発に動きまわる季節になりました。今月は「虫」にまつわる本の紹介です。
博士の愛したジミな昆虫

 
金子修治・鈴木紀之・安田弘法/編著
岩波書店
 
 この本に出てくるのは、誰もが知っているカブトムシやクワガタといったスター昆虫ではなく、私達の身近にいる特徴をもたない見かけの地味な昆虫ばかりです。しかしそんな虫達もそれぞれに驚くべき工夫を凝らした、個性あふれる生きかたをしています。
 昆虫の不思議に魅せられた10人の昆虫学者が、愛すべき地味な昆虫の生態や生きかたについて熱く語ります。
147ヘルツの警鐘

 
川瀬七緒/著
講談社
 
 被害者の体内から虫が発見されたことにより、難事件にかかわることになった法医昆虫学者・赤堀涼子は、警視庁に協力し事件解決に臨むことになります。法医昆虫学ならではの捜査とは…。
 ゾクッとする「虫」のリアルな描写は圧巻。虫好きな人も虫嫌いな人も、顔を歪めながらついつい読み進めてしまう作品です。シリーズ化されているので、この後もまだまだ楽しめます。
 
 
蜘蛛の糸・杜子春・トロッコー他十七篇ー
 
芥川竜之介/作
岩波書店
 
 「酒虫」は体内に入るとその人を大酒飲みに変え、とめどなくお酒を飲ませてしまいます。しかし本人は一向に酔うことはできないという厄介な虫。酒虫にとりつかれた劉氏は蛮僧に導かれ、驚くべき方法で虫を撃退します。
 現実に存在する虫の他にも、小説の中には様々な種類の虫がいます。そんな愉快な虫の話をはじめとした、芥川竜之介の「子どもむき」と考えられる作品を集めた作品集です。