おすすめの本

  • 掲載日:2024年2月15日
だんだん寒さも和らいできて、梅の花が咲く時季ですね。そんな季節にちなんで梅が出てくる本を集めました。
貸本屋おせん
高瀬乃一/著
文藝春秋
 
文化年間の江戸浅草に住み「貸本梅鉢屋」を営むおせん。彫師の父を亡くし天涯孤独になったおせんは、舞い散る梅の花から思い出の本に導かれ、貸本屋になることを決めたのでした。個人経営者として孤軍奮闘する彼女は、貸本を通してさまざまな事件に巻き込まれます。本書では、本の仕入れ先の通油町の地本問屋、写本に通う常磐町の料理屋など、日本橋界隈が舞台として出てくるほか、「貸本屋」「版元」「売子」など現代とは違う江戸時代の本の流通事情も知ることができます。
レペゼン母
宇野碧/著
講談社
 
和歌山県の山間の町で梅農家を営む深見明子は、女手一つで育てた息子の雄大が悩みの種。雄大は二度の離婚と借金を残して、現在行方不明。そんな中、梅農家を手伝う沙羅がきっかけで、明子はラップバトルに出ることに!?そしてなんとその大会には、雄大も参加する!? 雄大と向き合うのはこれが最後のチャンスかもしれないと思った明子は、息子に対する想いを込めて、マイクを握って戦うことを決意します。 当作品のテンポの良い会話は読むヒップホップと言ってもよく、読んでいて心地よく感じます。
 
 
梅と杏のお菓子づくり
今井ようこ 藤沢かえで/著
誠文堂新光社
 
梅酒や梅シロップを作った後、お酒やシロップにつけた梅の実をどうしていますか?そのまま食べても美味しいですが、 この本ではそんな梅の実で作るお菓子を紹介してします。 乳製品・卵を使わないマドレーヌやゼリーなどのナチュラルスイーツ、フィナンシエ、グラニテなどのエレガントなお菓子には、梅酒や梅シロップとはまた違った梅のポテンシャルを感じられます。 梅と同じバラ科サクラ族の杏のお菓子も載っています。作ってみるのはもちろん、見るだけでも楽しい1冊です。