図書館員のおすすめ

わびさび

  • 掲載日:2026年9月15日

質素や閑寂、不完全に趣を見出す日本特有の美意識、「わびさび」。そんな不思議な言葉が秘める、日本文化のおもしろさと深さを感じてみてください。

日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
森下典子/著
新潮社
著者が長年親しんだ茶道を通して見つけた「15のしあわせ」について綴られたエッセイです。
お茶の世界から得た気づきや、五感を研ぎ澄まして過ごす時間の豊かさが、生活の悲喜こもごもと共に親しみやすい文章で語られています。読み進めるうちに茶道の魅力に引き込まれ、伝統ある日本の美意識や文化の奥深さにも興味を掻き立てられます。
映画化もされているので、あわせて楽しんでほしい一冊です。
宵山万華鏡
 
森見登美彦/著
集英社
京都・祇園祭の前夜祭、「宵山」を舞台にし、バレエ教室に通う姉妹や画廊主など、様々な人物が過ごす幻想的で奇妙な一日を描いた連作短編集です。
この本を読むと、自分が子どもの頃の情景が思い起こされます。参加したお祭りの苦い経験や何もかもが新鮮に映った金魚やりんご飴のキラキラした様子が目に浮かんできます。
皆さんはこの物語から何を思い出すのでしょうか。時代が移っても変わらない人間の心の趣を感じる作品です。
禅宗入門
 
竹貫元勝/監修
平凡社
「わびさび」の価値観は、禅の思想に起源があるといわれています。
禅宗の教えは、様々な芸術や暮らしの衣食住などを媒介して継承されてきました。その特徴や成り立ちが、多くの写真資料とともに読み応えのある文章で丁寧に解説されています。
高さ29cmの大型本で、水墨画や日本庭園などの写真を細部まで鑑賞しやすく、構造美や示唆している教えを発見することができるかもしれません。