ティーンズトップページ

2021年10月号 アートとデザイン特集

美術館って、おもしろい!

美術館って、おもしろい!

モラヴィア美術館/著 阿部賢一・須藤輝彦/訳

河出書房新社

 チェコ共和国にあるモラヴィア美術館のスタッフが中心となって作られたこの本は、美術館のいろいろな顔と魅力を教えてくれます。歴史・仕事・展覧会の作り方という3つのテーマで構成され、美術館の裏も表もすべてがわかる内容になっています。
 2017年ボローニャ・ブックフェア ラガッツィ賞「アートの本」特別賞受賞

 緻密に描かれたカラフルなイラストを眺めていると、わくわくします。≪モナ・リザ≫の絵が世界で知られるようになった理由がこの本を読めばわかります。様々な場面で登場するアルチンボルド作≪ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ2世≫(野菜や果物で描かれた肖像画)を探してみるだけでもおすすめです。


 美術を愛するすべての人に! 

変わり兜 -戦国のCOOL DESIGN-

変わり兜

橋本麻里/著

新潮社

 戦国の世から江戸時代までに作られた「変わり兜」は、兎や百足(むかで)や蜻蛉(とんぼ)、茄子のへたや菖蒲の葉などをモチーフとした巨大な前立てで飾られた奇抜な造形の兜です。その他にも甲冑や陣羽織など、戦国武将が身にまとった武具を豊富な写真で紹介しています。戦国時代の背景や合戦場での作法、甲冑の構造の時代ごとの変遷など、戦国時代の知識本としても楽しめる一冊です。

 本来敵から身を守るための兜ですが、頭部から大きく突き出る兎の耳などは、血で血を洗う合戦場において、武士たちの動きを大いに制限したでしょう。それでも彼らが変わり兜を用いたのは何故か。その理由は、一目見たら忘れられない兜の数々を楽しみながら、ぜひ読み解いてみてください。


 変わり兜の多彩さに驚くよ!

ぼくに色をくれた真っ黒な絵描き

ぼくに色をくれた真っ黒な絵描き

北川佳奈/作 しまざきジョゼ/絵

学研

 家族を失い、ひとりになった主人公のジョアンは、父の親友ウゴおじさんに引き取られます。パリのシャ・キ・ペシュ理容店に住み始めたある日、セーヌ川沿いを歩いているとある絵描きと運命的に出会うことになります。父と同じ理容師になることが、当たり前だと思っていたジョアンですが…。
 第28回小川未明文学大賞受賞

 自分にとって、かけがえのないヒト・モノ・コトについて気づかされることがありますが、実はちょっとしたことがきっかけで巡り合っているのかもしれません。たった一枚の絵と運命的な出会いをしたジョアンや、パリの人々と街の様子を思い浮かべながら、自分もその「きっかけ」をさがしてみたくなる物語です。

 
 
好きという気持ちを大切に◎