白川小六／著　堀泉インコ／イラスト

KADOKAWA

　一見平凡そうに見える女子中学生の倉本アイ。しかし、彼女の正体はずば抜けた推理力を持つ名探偵だった。そんな彼女の家は、謎や仕掛けが散りばめられた「謎解きカフェ」。店を手伝うアイはカフェのメニューに仕組まれた仕掛けや、美味しい食事に心ほぐれたお客さんが話す謎を推理していく。そして物語が進むにつれ、アイ自身に隠された秘密が明らかになっていく。アイはその謎を解くことができるのか…。

　ラテアートにレモンケーキ、チョコレートなど身の回りにある食べ物でこんなに凝った謎が作れるのかと、読んでいてワクワクしました。再現しやすいカフェメニューも多くあるので、登場人物と同じものを食べながら推理に挑戦して、「謎解きカフェ」にいる気分を味わってみてはいかがでしょうか。 　

河出書房新社／編 有賀薫／［ほか］著

河出書房新社

　バラエティ番組やＳＮＳで名前を聞いたことがあるプロの料理研究家１６人が、エッセイとともに選りすぐりのレシピを紹介する。深夜の勉強のお供やお祝いのメニュー、カップラーメンの作り方に始まり本格的なだしの取り方まで。わかりやすい作業工程に加え、料理研究家の体験談やちょっとしたアドバイスなど、読者に寄り添った人生のレシピを掲載している。

　食べることは生きること。自分の食事を自力で作ることができたら、それは健康な身体や心を自分で作っていると言えるのではないでしょうか。そして食事の味付けまでおいしくできたなら、その自信は人生を生き抜いていく武器や薬になります。少し工夫するだけのものから、ちょっぴり手のかかるメニューまで、学校の家庭科では教えてくれない、料理研究家の心がこもったレシピを試してみたくなります。

よしもとこゆき／著　くじょう／絵

学研プラス

　三ツ星の獲得を目指すカリスマシェフの豪太は、ある日突然レストランのオーナーから解雇されることに。レストランに戻る条件は、高校の料理部「三ツ星シェフ部」の顧問となり、全国高校生料理大会に出場して優勝へ導くこと。渋々引き受けた豪太を待っていたのは、個性豊かな4人の部員たち。豪太と「三ツ星シェフ部」の挑戦が始まる。 　

　豪太と部員たちは、それぞれの事情をかかえながら、真剣に料理と向き合っています。思わず応援したくなる彼らの料理は、どれも美味しそうで、読んでいるこちら側にまで良い匂いがしてくるような感覚になります。彼らの成長を通して、美味しい料理は必ずしも技術だけでは完成しないということが伝わってくる一冊です。