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2024年1月号 SNS特集

インフルエンサーのママを告発します

 

ジェ・ソンウン/作 チャ・サンミ/絵  渡辺奈緒子/訳

晶文社

 ダルムのママはインフルエンサーのリナビ。ママが有名になるとパパは会社を辞めてママのサポートにまわった。コンテンツは『家族』。ダルムの成長の記録は全てSNS上にある。その状況がおかしいと思いつつも、言われたとおりにしていた。しかし、友人のアラの言葉をきっかけにママへの反撃を始める。

韓国の小説と同じ横書き仕様なので、スクロールをする感覚で読めます。自分の写真が勝手に写真アプリに投稿されていた!なんてことありますよね?泣きながらも法的根拠を持ち出して親を説得するダルムはとてもたくましいです。「シェアレンティング」「デジタル葬儀社」など、韓国のSNS事情も垣間見え、ネット上でつながり続けている私たちの必読書です。


 

   

噓吹きネットワーク

久米絵美里/著

PHP研究所

 「八吹写真館にいる八吹錯っていうやつが、画像や動画の加工が得意で、頼めばなんでも作ってくれるらしい」そんな噂が小野寺理子の通う小学校で広まっていた。ある日、クラスの皆が使っているSNSグループトークに「クラスでオムツをはいているやつがいる」と画像が投稿された。その画像が正しいとは思えない理子は、噂の人物がいる八吹写真館へと向かう。そこにいたのは理子と変わらない同じ年頃ぐらいの少年だった…。

最近はAIが発展して、ネット上の情報が正しいものなのか判断が難しくなっています。皆さんは誤った情報に踊らされることなく正しい情報を拾えていますか?理子が中学生1年生になった続編「嘘吹きパスワード」もありますので、今作と併せて読んでみてください。
 

SNSの哲学 ーリアルとオンラインのあいだー

戸谷洋志/著

創元社

 投稿に「いいね!」が付くとうれしくなるのはなぜでしょう?
なぜSNSで承認されたいのか、そこにはどんな時間が流れているのか、そこで交わされる言葉にはどんな性質があるのか…SNSについて色々な角度から光をあてて、それを使う自分自身は何者なのかを考えてみる本です。


連絡ツールとして、あるいはそれ以上のコミュニケーションツールとして、SNSは私たちの日常に溶け込んでいます。この本では、SNSの功罪を問うのではなく、それを使う人の心には、どんなことが起きているのだろう?と、ゆっくり考えられていて、読み進むにつれ、モヤモヤが晴れて見晴らしがよくなっていくような気持ちになります。SNSを使う人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。