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2024年7月号 水族館特集

長浜高校水族館部!

 

令丈ヒロ子/文 紀伊カンナ/絵

講談社

 愛媛県立長浜高校にある「水族館部」。約二千匹の海や川の生き物を飼育し、月に一度「長高水族館」として一般公開もしています。そんな日本でも珍しい部で、部長を務める二年生の井波あきら。今でこそ部員に頼られる存在ですが、部に入ったばかりの一年生の時は、研究やイベントに目標を持つ同級生たちに比べ、何をしたいか決まっていない自分に気後れしていました。

 長浜高校水族館部は、なんと本当にある部で令和6年現在も「長高水族館」を運営しています。そんな実在の部をモデルにした物語ですが、生き物を研究したり繁殖させたり、イベントを企画したり、実際の水族館に引けを取らない活動に驚きます。とくにクマノミの繁殖については、卵を産んでもらうためにこんなに気をつかっているのか…!と、頭が下がる思いです。
 

なるほど!魚の漢字

 

Gakken(学研プラス)

 突然ですが、魚クイズ!「魚」へんに「周」と書く、水族館で見られる魚はなんでしょう?そうですね、「鯛(タイ)」です。それでは、タイの漢字はなぜ魚に「周」と書くのでしょう?この本では、魚の漢字の読み方や、名前のルーツ、ことわざなど意外と知らない魚に関する知識が、豊富な写真と共にクイズ形式で掲載されています。

 寿司ネタでよく見る魚も多いので、はじめは写真を見るとつい知識より、「おいしそう…」などと考えてしまうかもしれません。ですが、読み進めていくと、いつのまにか「なるほど!」とつぶやいてしまいます。魚を表す漢字にはあて字も多く、「柳葉魚(シシャモ)」、「翻車魚(マンボウ)」など、昔の人の字や魚に対する遊び心も感じられます。名前の由来を知って水族館に行けば、魚を見るのがもっと面白くなるはず!
 

もっと知りたい動物園と水族館ー園長のはなし、飼育係のしごとー

小宮輝之/著 阿部義孝/協力

メディアパル

 世界中の様々な場所にすむ生き物を、一度に見ることが出来る水族館や動物園。この本では、「魚は水槽にぶつかるの?」「パンダの名前は誰が決めるの?」といった、みなさんが一度は考えたことがあるかもしれない、生き物や施設への疑問に答えてくれます。実際に水族館や動物園で働いている、園長さんや飼育員さんたちのインタビューも載っていて、リアルな仕事が垣間見えます。

 水族館の魚は大きな水槽の中を、まるで空を飛んでいるかのように、ゆうゆうと泳いでいます。これまで、それが当たり前だと思い、疑問を感じたことはありませんでした。しかしよく考えると、水槽の透明な壁にぶつからないのは不思議ですよね。生き物たちの生活や彼らが過ごしやすいようにするための工夫、そこで働く飼育員さんのことも知ることが出来る面白い一冊です。